100万の命の上に俺は立っている(1) – 読んだマンガをひたすら挙げていく【89冊目】

読んだもの

心機一転、週に1本は投稿するというけっして高くはない目標で、読んだマンガの中からおすすめのものを紹介したいと思います。週に1本といっても、実際書くのは土日なので2日で1本と考えたら、あれ?けっこうがんばらないといけないのかも💦

さて、そんな前置きはこれくらいにして2020年10月よりめでたくアニメ放映されることになった『100万の命の上に俺は立っている』をおすすめしたいと思います。

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【あらすじ・ネタバレ・感想】

100万の命の上に俺は立っている(俺100)とは?

いつもどおり Wikipedia から引用します。

『100万の命の上に俺は立っている』(ひゃくまんのいのちのうえにおれはたっている)は、山川直輝原作、奈央晃徳作画による日本の漫画。『別冊少年マガジン』(講談社)にて2016年7月号より連載中

100万の命の上に俺は立っている – Wikipedia

せっかく引用したけどあんまり情報がないですね💦

『100万の命の上に俺は立っている』がなんといっても最初に目をひくのはそのタイトル。愛称は『俺100』というそうです。こんなタイトルにされたら、どんなマンガなんだろう?と興味をひかれること間違いありません。かくいう自分もこのタイトルに釣られて読んでみたというのが『100万の命の上に俺は立っている』を読み始めたきっかけでした。

「100万もの命の上に立つ」なんて俺とはどういう存在なんだろう? 命の上にたつという書き方や表紙のデザインを見ても明らかな通り、上に立つといっても100万の命を導くような存在ではなく、100万の命の犠牲の上に立っているように思えます。

なんとおどろいたことに2020年9月10日現在、 Wikipedia には100万の命の上に俺は立っているのあらすじが掲載されておらず、あらすじの作成と協力者が要望されています。登場人物の紹介も、主要キャラ(主人公パーティー)と、マンガ世界の狂言回し役であるゲームマスターと呼ばれる謎の人物?のみ。

100万の命の上に俺は立っているのあらすじ

先に、掲載誌である講談社のコミックプラスの紹介から引用したいと思います。

合理的で友達もつくらない帰宅部の中学3年生、四谷友助。そんな彼が、唐突に異世界に飛ばされ、同級生の女の子たちと力を合わせて戦う羽目に。単独行動大好き、独自の視点でマイペース道を行く四谷は、主人公としてどうなのか──!!? アンチファンタジーを謳う、ファンタジー異色作!!

「100万の命の上に俺は立っている」既刊・関連作品一覧|講談社コミックプラス

「異世界に飛ばされ~」と書いてあるとおり『100万の命の上に俺は立っている』のジャンルいわゆる異世界モノにあたります。細かくいうと生まれ変わる(転生する)のではなく、別の世界に飛ばされてしまうお話なので、異世界転生ならぬ異世界転移モノ。

カンタンなあらすじ

公式サイトの紹介ではのっけから、合理的で友達もつくらないと評されてしまう 主人公の四谷友助(よつやゆうすけ)は、将来やりたいことも特にない様子で学校が終わればさっさと帰ってゲームがやりたいといつも考えている様子。先生から進路について叱られても上の空で当たり障りのない返事をするのですが、先生にはそんな友助の考えは見透かされてしまっています。他人と交わることに興味関心がなく相手に合わせようとしないため、他人からみてもわかりやすい無関心キャラ認定になっているのかもしれないです。

そんな友助ですが、放課後、日直?の仕事をしていたところ、突然、ゲームマスターによって別世界に呼び出され「これから君に指令を出しま。それをみんなでクリアしてね!」と言われてしまい…というのが冒頭のストーリー。

合理的で友達もつくらないキャラなのに名前は友助(友を助ける)とか、…ひょっとしたら制作サイド(※このマンガは原作と作画が分かれているのでこう呼ぶことにします)の意図が何か込められているんでしょうか(^o^;)

『100万の命の上に俺は立っている』ではこのなにかメッセージが込められている?が重要ではないかと吉田直樹は思っています。

100万の命の上に俺は立っている 1巻に収録されているエピソード

『100万の命の上に俺は立っている』の1巻に収録されているエピソードはこちら

  • #1 ゲリラ農奴と終わりの始まり
  • #2 駄目なタイプのオタクとモテ講座
  • #3 マジハパープルの力と敵
  • #4 肉切り系女子と騎士の道

中身を読むとわかるのですが、1巻のサブタイトルはそのエピソードに登場する人物を評した感じになっています。1巻を見返していて

(´-`).。oO( おっ、ひょっとしてタイトルのつけ方にも制作サイドのこだわりがあるんじゃないのか!? )

と思ったんです。なぜなら、例えば #4 『肉切り系女子と騎士の道』の回は、盗賊団のアジトを急襲して仲間を助け出すお話なんですが、タイトルは『アジト襲撃』とか『仲間を救い出せ』とかシチュエーションでなく、その回から登場する女騎士の特徴を表したタイトルになっています。

『100万の命の上に俺は立っている』は登場人物が何を考えてどう感じるかといったことの描写にこだわりがあるマンガなので、シチュエーションではなく、キャラクターにスポットを当てた表現を大事にするというスタンスがあり、それがサブタイトルのつけ方にも表れているのでは?と、そう思ったんです、ええ ( ー`дー´)キリッ

(´-`).。oO( あっ、2巻以降は別にそうでもない )

残念ながらただの思いこみでした、ええ(^o^;)

100万の命の上に俺は立っているのおもしろいところは?

クセの強い(人によって評価がわかれる)ところがおもしろい

『100万の命の上に俺は立っている』というマンガはとにかくクセが強いといえます。

クセが強いとはどういうことかを書く前にこちらのAmazonのカスタマレビューをご覧ください。

『100万の命の上に俺は立っている』1巻のAmazonカスタマレビュー(2020年9月10日時点)

見ての通り、78件の評価がついて星5つ中の3.2 しかも星の数ごとの評価は全体の15-24%の割合で分散していて、いわゆる

(´-`).。oO( 評価がきれいにわかれるなー )

という状態になっています。

評価78件のうちの星5つが24%なので、18.72件。星1つが15%なので11.7件になる計算。数の差はたしかにありますが、おおよそ「好き」と「好きじゃない」の割合が同じような割合で存在していることになります。

どうしてこうも、読む人によって『100万の命の上に俺は立っている』というマンガの評価は分かれるのでしょうか? ここからは想像になりますが…

異世界モノなのに異世界モノっぽくないところがおもしろいんだけれど…

『100万の命の上に俺は立っている』の特徴となっているところ、それは異世界モノっぽくないところです。

一般的な異世界モノの作品で主人公が転生(転移)する世界は中世風ファンタジーRPG世界であることが多いです。もちろん、手を変え品を変えいろんなバリエーションを増やしている異世界モノなので、中世RPG風でないことも数多くありますが、それでも王道はやっぱり中世風ファンタジー世界であり、中世風ファンタジーRPG世界が多いといっても、誰かに怒られるような間違いではないでしょう(ですよね💦)

余談ですが、中世風にすると、「当時の時代背景、文化事情では◯◯はまだなかったからこの描写はおかしい」みたいな指摘が飛び交ったので、「中世風ファンタジーRPG世界です、あくまでゲームの世界なので、実際の中世とは違います」という設定の仕方が多くなったとかならなかったとか。

とにかく、いわゆる異世界モノっぽい異世界モノとはそういった中世風の作品世界で、それぞれの作者が独自に考え出した世界観や文化風習(グルメとか)を描写してたり、ゲームシステムを解説したり、お約束のチート能力を使って俺TUEEEしたりハーレムしたりするもんなんですが、ここらあたりが『100万の命の上に俺は立っている』は一味違います。

『100万の命の上に俺は立っている』の作品世界も中世風ファンタジーで、しかもRPGらしさをより強調した設定になっているのですが、まず、

それほど強くはないので俺TUEEEはしません

むしろ、ゲーム要素が強く「死んでも一定時間が経つと復活する」という設定のため、

主人公なのにやたらと死にます

しかも、四谷友助は合理的といった通り、戦いながらもあれこれと考えているので、バトルアクションという感じはほぼなくいつも泥臭く闘っています。戦闘シーンはけっこう多いのですが、戦闘に勝利することでクエストがクリアできるわけではないので…戦闘は基本的に副次的な要素になってしまって見せ場にはなってもイマイチ盛り上がりきらないなんてことも…

また『100万の命の上に俺は立っている』は、現実世界の時事ネタを使用したストーリー展開になっているという特徴があります。

マンガ内に登場するゲームマスターから与えられるクエストが時事ネタになっていて、クエストをクリアすることを目的としてストーリーが進んでいくのですが、このクエストが現実世界で歴史上に起きた紛争や社会問題、災害などになっているんです。

そのことは有助がクエストの達成条件を考えるシーンなんかで「現実世界での…」なんていう語りを入れることからけっこうあからさまに読者に伝えてきます。そのため『100万の命の上に俺は立っている』を読んでいるとなんだか

(´-`).。oO( マンガで分かる…って感じの社会の教科書読んでるみたい )

に感じる時があります。制作サイドがそういうマンガにしたいのかどうかはわかりませんが、なんだかそう感じる時があるんです。

こういう異世界モノっぽくないところが、そもそもいわゆる異世界モノを読みたいニーズからすると

思っていたのと違う… 

という印象になってしまう一方で、

ちょっと違う異世界モノを読みたい!

っていう人には楽しめる内容になっているんじゃないでしょうか。

理屈っぽいところがおもしろい

これは異世界モノっぽくなさにも当てはまるかもしれませんが『100万の命の上に俺は立っている』は理屈っぽいです。説明書きが多いっていう言い方のがしっくりくりかもしれません。

『100万の命の上に俺は立っている』というマンガは、作品の至るところであれこれと設定と裏設定が考えられているように感じます。おそらく、ラストまでのストーリーはすでにおおよそ決まっているんじゃないでしょうか。

ゲームマスターは何を考え、何をさせるために友助達を異世界に呼び出しクエストをクリアさせるのか? その謎はストーリーが進むにつれて徐々に明らかになっていくのですが、そのストーリーのいちいちがなんか意図して見せようとしている(制作サイドの魂胆がある)ような気がしてなりません。

さきほども引用した公式の紹介がこちらになりますが、『100万の命の上に俺は立っている』はアンチファンタジーを謳う、ファンタジー異色作だそうです。

合理的で友達もつくらない帰宅部の中学3年生、四谷友助。そんな彼が、唐突に異世界に飛ばされ、同級生の女の子たちと力を合わせて戦う羽目に。単独行動大好き、独自の視点でマイペース道を行く四谷は、主人公としてどうなのか──!!? アンチファンタジーを謳う、ファンタジー異色作!!

「100万の命の上に俺は立っている」既刊・関連作品一覧|講談社コミックプラス
  • 有助をこういうキャラにすることでこういう心理描写を描けるようにしよう
  • こういうシチュエーションにすることでこういうシーンを描けるようにしよう
  • こういうクエストを攻略させることで、有助のこういう成長や変化を描けるようにしよう

などなど、アンチファンタジーを謳い、ファンタジーの異色作となれるよう、

そもそもファンタジーとはなんぞや?

とか

ファンタジーはどうあるべきの中で『100万の命の上に俺は立っている』というマンガはどんな位置にあるべきか?

みたいなことを考えた上で、マンガの世界観や設定、主人公の四谷友助をはじめとした登場人物のキャラクターが設定されている感じがひしひしと伝わってきます。

もっとわかりやすくこのマンガは理屈っぽいぞというのを示すのが、1巻のあとがきに載っている原作者の山川直輝先生が寄せた文章です。そのまんま、マンガとは…ファンタジーとは…ということが書いてあり、そこで『100万の命の上に俺は立っている』はどういうマンガを目指すかみたいなことがはっきりと書いてあります。具体的にどんなことが書かれているのかは、ぜひ『100万の命の上に俺は立っている』を手にとって読んでみてください。『100万の命の上に俺は立っている』を読みすすめるためのヒントであり制作サイドからのネタバレでしょうから、ぜひ『100万の命の上に俺は立っている』を手にとって読んでみてください。

このあとがき自体が直接『100万の命の上に俺は立っている』が理屈っぽいことの説明にはつながらず、どうやら原作の先生は理屈っぽい人だぞ(^o^;) ということでしかありませんが、こういう理屈っぽさの現れがマンガのお話にも雰囲気として出ているのは読んでいて感じます。

この理屈っぽさを、読んでいるとひっかかるとかスッキリしないと感じるか、読み応えがあると感じるか。

普通に読んでいるといずれにせよ、『100万の命の上に俺は立っている』を読んでいるといろんな、目に見える形で制作サイドからの何らかのメッセージが伝わってくる(感じ取ってしまう)ことが多いです。最初にちょびっと書きました、何らかのメッセージです。

この何らかのメッセージというのは、『100万の命の上に俺は立っている』というマンガを読んでどう感じて欲しいかという制作サイドの想いの現れであることは間違いなさそうです。なんとなくそれっぽく情報を並べているだけだったとしたらあまりにも薄っぺらいです。

これらのメッセージがどういう意味を持つのか。それがすべて明らかになるのはきっと『100万の命の上に俺は立っている』がエンディングを迎えた時だと思います。すべてが終わった時、

( ゚д゚ )クワッ!!.。oO( なるほど! スゲェ、そういうことだったのか! )

となり『100万の命の上に俺は立っている』が名作となるのかどうか、それを確認するためにも、これからも『100万の命の上に俺は立っている』を追っかけていきたいと思います(^o^)

好きな人には面白いマンガ(当たり前)

そんな感じでとにかくクセのある『100万の命の上に俺は立っている』なんですが、異世界モノなのに異世界モノっぽくないというのは、面白いと思う人には面白く面白くないと思う人は面白くないと好みの問題であって、別にどっちがいいとか悪いではありません。単に「思っていたのと違った」というミスマッチが発生しているだけで、面白くないと感じた人はそっ閉じすればいいだけのはずなのですが…

どうしても、

(´-`).。oO( 面白くなかった )

と表明しなければ気がすまなくさせる強い印象を残すようです。それは、言い換えると、『100万の命の上に俺は立っている』の、読者に伝える力が強いといえることなのかもしれません。

実際、1巻の評価はきれいに分かれていますが、そのミスマッチを乗り越え

2巻目以降の読者の評価は高い

んですよね(^o^;) 評価の実際については、以下に4巻までの Amazonリンクを貼っておくのでよかったら確かめてみてください。




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