豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい(1) – 読んだマンガをひたすら挙げていく【87冊目】

読んだもの

前回「湯神くんには友達がいない」の最終巻の投稿をしてから1年以上経ってしまいました。その間もマンガは欠かさず読み続けていましたが、今年の春頃、Twitterでちょこちょことマンガのツイートをするようになったら「やっぱりマンガの紹介や感想書くのは楽しいな」ということを再認識したので、また書き始めてみようと思います。

1年ぶりの再開に選んだのはKADOKAWAのコミックアライブにて連載中の「豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい(長いので以下、豚公爵)」の1巻です。2020年8月現在、すでに単行本は4巻まで刊行されていますが、順をおって紹介していきたいと思います。

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【あらすじ・ネタバレ・感想】

豚公爵1巻のあらすじ(ネタバレ)

「豚公爵」は小説投稿サイトカクヨムに投稿された異世界転生モノ小説のコミカライズです。原作はカクヨムでPV数1位を記録したこともある人気作品なのですが、吉田直樹はマンガでしか読まないので、原作には触れずあくまでマンガで語っていきたいと思います。

俺こと主人公が転生したのは、大好きだったアニメ「シューヤマリオネット」の作品世界。現実世界で体験したアニメやゲームの世界に転生する設定は、他にもいくつかありますが、通常、主人公だったりヒロインに転生するのが定石(まあ魔王や悪役令嬢に転生するのも増えましたが)。なのに「豚公爵」で主人公が転生したのは、その背格好から豚公爵と周囲に呼ばれる嫌われ者でした。「豚公爵」公式のあらすじには「アニメ世界の悪役に転生した俺こと豚公爵」なんて書かれていますが、敵対するわけでも悪事を働くわけでもないので、ニュアンスとしては嫌われ役という方がしっくりきます。

世界観はいわゆる中世風魔法ファンタジー。豚公爵の本来の名前はスロウ・デニング

豚公爵ことスロウ・デニングはかつて風の神童と呼ばれるほど魔法の才能にあふれていました。しかし、とある理由によりあえて、嫌われ役となることを決意した豚公爵ことスロウ・デニングはいつしか風の神童ではなく堕ちた神童と呼ばれることになります。

その理由とは、彼の従者として世話をするヒロインのシャーロット・リリィ・ヒュージャックの存在です。シャーロットは、名前の長さからもわかる通りいわゆる王族なのですが、過去に起きた事件のせいで本人はそのことを周囲に隠しています。豚公爵ことスロウ・デニングは、そんな彼女を人知れず、シャーロット本人にすら知られることなく守ろうと決意し、それまでの名誉や周囲の期待を裏切ってでも彼女のそばにいつづけるため堕ちた神童となるのです。

ただし、これはあくまで元となるアニメ「シューヤマリオネット」の裏設定。「シューヤ・マリオネット」では、豚公爵ことスロウ・デニングの決意はストーリーとして描かれることもありません。シャーロットも、「シューヤ・マリオネット」の主人公といつしか恋仲となりアニメのストーリーは進んでしまいます。

転生した俺こと豚公爵は、そんなスロウ・デニングの境遇をよしとせず、「シューヤ・マリオネット」を見て知っている未来の知識を活かして「シューヤ・マリオネット」とは異なる世界線として、シャーロットにちゃんと告白できるエンディングを目指し行動を開始します。

豚公爵1巻に収録されているエピソード

豚公爵1巻に収録されているエピソードは、

  • 第1話
  • 第2話
  • 第3話
  • 第4話
  • 第5話

です。各話にサブタイトルなどは設定されていません。

豚公爵1巻の感想

豚公爵はカッコイイ(・∀・)イイ!!

「豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい」の良さは、まず豚公爵ことスロウ・デニングがカッコイイということです。

豚公爵にはシャーロット以外にもヒロインが登場しますが、ヒロインのピンチに現れ敵役を倒してその窮地を救うシーンは思わず胸が熱くなります!

残念ながら1巻ではまだ最初のメインストーリー(主人公イベント)の冒頭までしか話が進まないので残念ながらカッコイイところは2巻を読んでのお楽しみとなりますが(^_^;)

1巻は日常回がメインです。それでも、スロウ・デニングから俺へと中身が入れ替わり、シャーロットに想いを告白するためにも生まれ変わったことを周囲にアピールしようと努力する俺こと豚公爵と、そんな豚公爵に接してそれまでの見方を変えた登場人物が豚公爵の周りに集まりだす様子は見ていてとても気持ちよいものです。

豚公爵の面白さはこのあたりから本領を発揮しだして、冒頭に述べた主人公イベントでのカッコイイシーンにつながった時に最高潮となります

大事なことなので2回(3回目かも)言います。

(´-`).。oO( 豚公爵はカッコイイ… )

豚公爵は初期設定がとってもイイ(・∀・)イイ!!

元々の設定「シューヤ・マリオネット」の世界線では、豚公爵ことスロウ・デニングはひとりで頑張ろうとしすぎたため、国家間の争い勃発など想定外の事件に対処しきれず、「シューヤ・マリオネット」の主人公にシャーロットをかっさらわれるという彼にとってのバッドエンディングを迎えてしまいました。

そもそも「シューヤ・マリオネット」では主人公ではないのでエンディングにグッドもバッドも選択する権利なかったのですが、大貴族に生まれ風の神童と呼ばれるほどの能力があり、ひとりでなんとかできそうな立場にいたからこその悲劇を良しとせず、違うエンディングを描くためにやり直すっていう設定が俺こと豚公爵の活躍を心から応援できる気持ちにさせてくれます。

堕ちた神童となった際に期待を裏切り傷つけた人々と少しずつ和解していく様子もまた、

( ;∀;) .。oO( イイハナシダナー )

という気持ちにさせてくれます。

異世界転生という設定上、スロウ・デニングという登場人物のもともとの人格は失われてしまいその想いは俺こと豚公爵が成し遂げる形になっています。本来のスロウ・デニングに想いを寄せるとちょっと切ないですね(T_T)

例えば、異世界転生(別人格の転生)をナシにして、「シューヤ・マリオネット」の主人公にシャーロットに託したスロウ・デニングは陰ながら彼女を助け続け人知れず命を落としたかに見えたが、次に彼が気がついた時には時間は遡っていた…みたいな設定だったらさらに感動が感動を呼んだかかも。ただもう異世界転生にしてしまったためこれはもうどうしようもないところでしょう。

誤解がないようにしておきますが、豚公爵はこのままでも十分面白いですよ!

豚公爵はそもそも異世界転生モノに分類されますが(主人公が異世界転生してるので)、むしろとてもまっとうなファンタジーです。

豚公爵の注意するポイント

豚公爵を読む時は、

豚公爵はカッコイイ

豚公爵はとてもイイ話

これらの2点のポイントを事前にしっかり抑えておく必要があります。

なぜこの点を念押しするかと言うと、これらのポイントを知らずに豚公爵をお試し無料などで1話だけを読むと、

アニメ世界では嫌われ者役だったデブの貴族様が、生まれ変わったのをきっかけに改心(変心)し、ヒロインとハッピーエンドを迎えるために努力するラブコメ

に見えなくもないからです。実際、吉田直樹は最初に豚公爵をお試し無料で読んだ時、そういうマンガだと思い

(´-`).。oO( モテルカドウカハドウデモイイワー )

と思って長らく放置していました。だって、1話の最後で豚公爵が

(´;(oo);`) .。oO( 今度は君に好きと言いたい )

というヒキで終わるんですもの。ああ、このマンガは主人公がヒロインに好きっていうためのお話なんだなと思うじゃないですか。

違う違う、そうじゃない、そうじゃないんですよ。いや、そうじゃないこともなくて、確かに、ヒロインにモテる(告白する)ために頑張る話ではあるけれど、ラブコメじゃないし、見るからに異世界転生モノではあるけれど、よくある異世界転生モノではなく、中身はすごくまっとうな魔法ファンタジー(ストーリーの主軸は告白できるかどうかじゃない)んですよ。めっちゃ面白いんですよ!

だから、みなさんにも豚公爵をラブコメかと勘違いせず読んでほしいです。

豚公爵がカッコイイところまでなので、できるかぎり1巻といわず最低2巻まで。できることなら、4巻24話の冒頭まで(めっちゃめちゃカッコイイ見開きがあるんですよ!)読んでほしい今日この頃です。

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