川原泉マンガの感想を書きます
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数多い川原泉マンガの中から、名作との呼び声も高い「架空の森」を紹介したいと思います。吉田直樹的にはようやく川原泉先生のマンガのことを書くぞという話ですが、世間様的には、すでに数多の方々によってさまざまに語られているのでなにを今さらという話でありましょう。
川原泉(かわはらいずみ)とは?
いつもそうですが、先生ご本人のことを語れるわけではないのでしれっとWikipediaを引用します。
川原 泉(かわはら いずみ、1960年9月24日 – )は、日本の漫画家。鹿児島県指宿市出身、鹿児島市在住。鹿児島大学法文学部卒業。専攻は日本史。
人物・作品
川原泉 – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E5%8E%9F%E6%B3%89
カーラは公式化された愛称であり、『メイプル戦記』のおまけ「カーラ君を探せ」、『小人たちが騒ぐので』などで「友人M」の「カワハラ君」という呼びかけが「カーラ君」と聞こえるのが由来。
書店に行く度に2万円ほど本を購入し、生活費で一番お金をかけているのは本であるというほどの読書家。恋愛ものの本はほとんど読む事はなく、好きなのはSFやホラーで、ロバート・R・マキャモン、スティーヴン・キング、そして特にディーン・R・クーンツの作品を好んでいる[5]。また、『銀河英雄伝説』のファンでもあり、徳間文庫版第7巻「怒涛編」の解説を執筆、徳間デュアル文庫版のハンドブックにも再録されている。
1/4スペースなどの記述によると、タカシという兄がいる。彼とのエピソードのいくつかが披露されている他、漫画にも彼(の似顔)をモデルとした、地味な顔立ちでメガネ着用のキャラクターが散見される。
1/4スペースやエッセイ漫画などでは、昔からの女性の友人2人(特に「友人M」)が登場するエピソードが多く見られる。
ヒロインの相手は、年の離れた社会的地位のある男性という設定が多い。
好きなミュージシャンに王様を挙げていて、王様も川原作品のファンである。
紀文食品の「魚河岸あげ」が、東京で発見したおいしいものベスト3に入ると『メイプル戦記』の1/4スペースに書いているほど好きである。また「小人たちが騒ぐので」の中にも3回ほど「魚河岸あげ」が登場する。この事が縁となり、その思いと紀文食品が結びついて、描き下ろし作品「漫画魚河岸あげの魅力」が紀文食品のサイト内で発表された。魚河岸あげ参照。
川原泉を知ったきっかけ
吉田直樹には姉がおり、当時の実家にはそれなりに少女マンガがありました。その中に、
- バビロンまで何マイル
- 本日のお言葉
- 小人たちが騒ぐので
の3冊がありました。他にもっとあったかもしれないけど、はっきりとは覚えておらず、ただバビロンまで何マイルを読んで「このマンガは少女じゃなくても読める。というかおもしろいな」と思ったのが始まりだったように思います。なにせもう20年以上も前のことなのであやふやですが、白泉社文庫版の「バビロンまで何マイル?」表紙にはすごい見覚えがあります。
それで川原泉マンガはおもしろいぞ!ってなり、学生だった頃(’90年~’00年代)に足しげく古本屋回りをしている時に、花とゆめCOMICS版の「笑う大天使(ミカエル)」「甲子園の空に笑え!」「メイプル戦記」「空の食欲魔人」「美貌の果実」「フロイト1/2」「中国の壺」あたりを買っては読み買っては読みして「あはは!」と笑っていました。
川原泉マンガが好きな理由
川原泉先生のマンガがなぜ好きかというと、それはもちろん「おもしろいから!」です。まあ、それはどのマンガでもそうですね。おもしろいマンガはみんな好き。そりゃそうだ。
川原泉マンガのおもしろいところは、
- モノローグ(文字数)が多い。
- 雑学が多くて勉強になる!
- でも、全部読まなくてもいい!
- 辛いシーンもあるけれど最後はハッピーエンドで嬉しい
といったところでしょうか。
順を追って語っていきます。
モノローグ(文章)が多い。
これは本当にもう川原泉マンガの特徴といってよいやつでしょう。
川原泉マンガの文字数の多さは他の少女マンガと一線を画していて、これが川原泉マンガを少女マンガの中にあってちょっと違う雰囲気を醸し出しているといっても過言ではありません。
雑学が多くて勉強になる!
モノローグで語られるのは、状況の説明であったり、作品の中で扱われるテーマの用語や登場する偉人先生の解説だったりします。解説の内容も川原泉先生の言葉で語られているので愛嬌があって読みやすく、文章もまた川原泉マンガの楽しみのひとつだったりします。
でも、全部読まなくてもいい!
もちろん、作品を読む上で全部理解しないと話がわからないなんてことはほとんどありません。「長い!」とか「見づらい!」と思ったら読み飛ばしても大丈夫です。
辛いシーンもあるけれど最後はハッピーエンドで嬉しい
このあたりが川原泉マンガの本領発揮だと吉田直樹は思っています。
週刊少年ジャンプの三大原則が「友情」「努力」「勝利」だというのは有名ですが、この三大原則になぞらえると、川原泉マンガの三大原則は「愛情」「忍耐」「幸福」だと吉田直樹は思いました。
「愛情」=「友情」
川原泉マンガで恋愛が描かれるとき、立場の違う二人の恋愛を描かれることが多いように思います。立場の違いとは年の差であったり境遇(一般家庭の子と会社の社長とか)だったり、ものすごい遠くではないけどかといって近くでもないほんの少し遠い距離。その距離感が遠慮になって、お互いに近くにいたいという思いはあってもすれ違いになったりする切なさが、
「忍耐」=「努力」
主人公の女の子は、なにがしか辛い境遇に置かれている場合が多いです。それは、家族との死別であったり、それによる貧困であったり。周囲と自分を見比べた時の違和感や劣等感に人知れず悩みを抱えていたりします。ただ、優しい性格から人にはけっして心配をかけまいと心で耐えて笑顔を絶やさず笑おうとしています。
「幸福」=「勝利」
大なり小なりつらい状況にある主人公ですが、悲劇のヒロイン然としていることはありません。のんびりおっとりとした性格で嫌なことはすぐに忘れてあははと笑って生きようとしていたり、「それがどうした私は私」と強い意志を持って突き進んでいったり。とにかく足を止めることがありません。
そんな主人公だからなんでしょうか、お話の最後にはちゃんと辛い境遇を脱して幸せな結末に至ります、よかったハッピーエンド!
川原泉マンガは幸せな気分にさせてくれる
そんな風に、川原泉マンガを読んだときにいつも感じるのは、川原泉マンガは主人公の「忍耐」する姿から勇気をもらい、最後のハッピーエンドな結末には「幸福」があふれ、最後まで読んだ時にはこのうえない多幸感をもらうことができるのです。
架空の森のよいところ
ぶっちゃけ、川原泉マンガはどれを読んでもおもしろいし感動するのですが、その中でも「架空の森」を一番にあげる理由はなんでしょうか
それはおそらく、これまでに書いた川原泉マンガのよいところが、1話の中に凝縮されているから、だと思います。
ヒロインの狩谷苑生(かりや そのお)は静寂さを好む寡黙な14歳の少女。
そこへ現れたのが3歳年下の御門織人()という少年。この少年がまたやたらとよく喋る。
騒がしいと思いつつも苑生は少年を気にかけ仲睦まじくチャンバラごっこ時を過ごす二人。
時を同じくして別の場所で事件は起こり、やがて巻き込まれる少年と明らかになる少年の秘密
事件は解決するも別れを迎える狩谷苑生と少年
ふたたび静けさを取り戻した狩谷苑生の日常に訪れたさらなる転機
そして紆余曲折を経たあとの再会と感動のラスト(画像参照)
なんとまあ見事なストーリーで、なんとまあ見事に描かれる魅力的な登場人物なんでしょう。
「架空の森」という幻想的なタイトルもまた作品の雰囲気を強烈に印象づけてくれます。
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