「Übel Blatt(ユーベルブラット)(23)※完結※ネタバレ」 – 読んだマンガをひたすら挙げていく【78冊目】

Übel Blatt(ユーベルブラット)(23)読んだもの
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 【あらすじ・ネタバレ・感想】

Übel Blatt(ユーベルブラット)の23巻です。ついに完結です。

『ユーベルブラット』をもっと評価してもよいんじゃないかって思えるもうひとつの要素は「ちゃんと完結しそう」だってことです。

約1年半前に書いた「Übel Blatt(ユーベルブラット)」の投稿で「ちゃんと完結しそう」と書いた時がちょうど21巻が発売されるタイミングだったので、そこから2冊での完結となりました。塩野干支郎次先生には掲載誌を変えながら15年の長きに渡る執筆活動で完結までを描ききっていただいたことに感謝です。

ただ、正直なところ・・・

まだもう少し続くのかと思っていました(^o^;)

ユーベルブラット前巻22巻ラストのヒキはどうだったか?

前回22巻の最後はとにかく大ピンチ

ケインツェル(アシェリート)は相性の悪いラングザッツ(※武器に妖精が縛り付けられてて、その妖精の叫び声でケインツェルを身動き取れなくできる人)との戦いで満身創痍ですし、イクフェスは「闇の異邦(ヴィシュテヒ)」の力で魔物化してしまった7英雄のイシューディーン相手に孤軍奮闘中。イシューディーンはイクフェスの何倍もの大きさになっており、頼みの黒翼もたいしたダメージを与えることができずまったくもって倒せるイメージが持てない状況でした。

「Übel Blatt(ユーベルブラット)」の世界には、剣で貫かれたような怪我まで治せる魔法の存在は描かれていないため、そんなにダメージ受けちゃったらはたして体力は持つのかどうか!? ラスボスであるグレンとの直接対決もまだなのにというギリギリ具合。

グレンもさることながら、グレンの居城である浮遊城も「闇の異邦(ヴィシュテヒ)」との結界を 破壊するために“天の槍”(魔導兵器)で攻撃中で、それを破壊するための切り札として、エルサリアの父でもあるアレクサルト公が乗ってきた魔導戦艦も攻撃を受けて墜落してしまいます。

ピンチに次ぐピンチで息もできないスピード感でストーリーが進んでいく中で、最後、ラングザッツがケインツェルに対して「それじゃあ……終わりだ」と言って剣を突き立てようとするという死亡フラグを立てた瞬間、逆に、後ろからロズンに剣で貫かれたシーンで終わっておりました。

ユーベルブラット最終巻23巻のあらすじ

ラングザッツに剣を突き立てたロズンは、

д゚).。oO( ロズン貴様…グレン王を裏切るのか!? )

というグレンの側近の問いかけにこう答えます。

[ ´-`] .。oO ( グレン様…私は少年の日にあなたという英雄に出会い忠誠を誓った )

[ ´-`] .。oO ( 私はあなたに従いあなたの騎士として戦い死んでいく )

[ ´-`] .。oO( そうあるべきでありそうありたかった。だが… )

[ ゚д゚]クワッ!! 私は本当の英雄に出会ってしまった……!!!

ロズンの口上に対してラングザッツは「しゃらくせぇぇぇぇっ!!!」と言って切りかかりますが、結局、ロズンに切り倒されてしまいます。

ようやく敵が一人減ったとホッとしたのもつかの間、イシューディーンが現れます。これまで魔物化したイシューディーンのサイズ感がいまいちつかめていませんでしたが、右手にイクフェスを掴んでいるくらいなので相当でかいです。

イシューディーンも、ロズンがグレンではなくケインツェル(アシェリート)を選んだことに激昂して襲い掛かってきます。

一方、エルサリアはというと、地上から望遠鏡で遠く浮遊城の上で戦っているケインツェル(アシェリート)の姿を見つけ、自らの弱気を打払い勝利への希望を再び見出します。

地上に墜落してしまった魔導戦艦を、攻城兵器の土台によって引っ張り上げ、地上から浮遊城を攻撃することを思いつきます。

グレンの兵隊たちによる妨害を退けながら、なんとか照準をあわせたエルサリアの、

J( ゚д゚ )クワッ!! ……撃ちなさい!!!

という号令により 魔導兵器から放たれた攻撃は狙いあやまたずに浮遊城に直撃し、“天の槍”を貫きます。

と、ここでさらに意外な展開が …

魔導兵器の攻撃が浮遊城だけでなく、余波によってグレン本人まで巻き込んでしまうのです。

正確には、攻撃された“天の槍”の爆発エネルギーはすさまじく、浮遊城のおよそ3分の1ほどを溶かしてしまうほどの爆風を発生させます。

その熱風は、高台(城壁)の上から ひとりケインツェル(アシェリート)達の戦いを見つめていたグレンに襲いかかります。

吹き飛ばれたグレンは眼球も蒸発し表皮が焼け焦げた姿でイシューディーンに発見されます。

無残なグレンの姿を見て、イシューディーンは激昂し怒りの矛先をケインツェル(アシェリート)達に向けて襲いかかります。

(´-`).。oO( なお、ここまでの展開でページ数的にはちょうど折り返し地点です。このままのペースで書いているとすごい長くなりそうなのと、ここからはいよいよクライマックスなのでちょっと紹介を端折ります  )

イシューディーンはケインツェル(アシェリート)とイクフェスに語りかけます。

( ゚д゚ ) .。oO( なぜ貴様らごとき愚者どもが生きていてグレンが……!!! )

( ゚д゚ ) .。oO( 愚者どもめ……私を殺してサーランディエン古く弱々しい世界に引き戻そうというのか!!! )

その言葉に対して「人間は弱くない!」的な発言をし、ケインツェル(アシェリート)とイクフェスのふたりは黒翼を放ってついにイシューディーンを打ち倒すのでした。

一方、死んだと思われていたグレンはさすがにそのままということはなく、側近の肉体に乗り移って醜悪な姿の魔物として復活します。23巻の冒頭、まだ人の姿をしていたグレンはここまでのストーリーで一言もしゃべっていません。ただ、見下すようにこちらを見返すシーンがあるばかりでした。

ところが、魔物の姿になったとたんグレンはようやくあれこれと言葉を発するんですが、「我が名はグレン」とか「サーランディエンの王グレン…!」などただただ 叫ぶばかり…。すでに人としての意識もなく執念にとりつかれているだけと思わせるようなグレンの叫び声でした。

そんなグレンに襲いかかられたケインツェル(アシェリート)とイクフェスのふたりは、グレンの攻撃を受け止める力もなく弾き飛ばされてしまいます。

いよいよクライマックス最後のピンチ!というその瞬間!!

空にふたたび浮かび上がった双月の光によって、ケインツェル(アシェリート) は 今までにない姿となって再びグレンの前に立ちはだかるのでした。

グレンは、そんなケインツェル(アシェリート) と戦いを繰り広げる中で少しづつ言葉を語り始めます。

( ゚д゚ ) .。oO( なぜ理解できないのだアシェリート私が正しいと! )

( ゚д゚ ) .。oO( 力が無ければ恐怖ゆえ自らの弱さゆえに人は間違いを犯す…… )

まちがいなく、グレンはかつて自分が犯した過ちのことを話しています。
このあたり、ケインツェル(アシェリート) との戦いや会話の中で、グレンが少しずつ自我を取り戻す(人間に戻っていく)という描写だったような気がします。

そんな激しい戦いの中、ケインツェル(アシェリート) は ついにグレンを打ち倒します。

崩れ去るグレンの姿をみて涙を流したケインツェル(アシェリート)は、自分も力なくひざまづき呟きます。

「 …… 終わった、終わったんだ……」

こうして長く過酷なケインツェル(アシェリート)の復讐の旅は終わりを迎えたのでした。

そして後日談……

エルサリアは新たな皇帝となり、イクフェスはグレン軍の残党を討伐すべく黒翼騎士団を率いています。ロズンは最辺境である死の森で「闇の異邦(ヴィシュテヒ)」を討伐する艦隊を統率しているようです。

アシェリート伯領の領邦君主となったケインツェル(アシェリート) は、帝国軍の本陣である自らの城のそばに14個の墓所を立てていました。

自らも戦場に立つ若き皇帝エルサリアⅠ世は、戦況を聞くために墓所に立つケインツェル(アシェリート)を迎えに行きます。

一通りの言葉を交わした後、戦況の報告のため城へと戻っていく二人の後ろ姿を13人のかつての仲間たちの魂が見送るのでした。

Übel Blatt(ユーベルブラット)を読み終えた感想

まずはあらためて完結までユーベルブラットを描ききってくれた塩野干支郎次先生に感謝です。

当時『ヤングガンガン』での連載を本誌で追っていたので、かれこれ10年か15年くらいになるんでしょうか?

雑誌で見かけなくなって、続いているのかどうかも知らずにいながら、本屋の店頭で新刊コーナーに「Übel Blatt(ユーベルブラット)」が置かれているのを見ておおっという驚きと喜びを感じつつすかさず購入という経験を数冊はやりましたかね(^o^;)

20巻くらいまできたら、定期的に新刊がでるのを感じられるようになってきたのでちょっと安心でした。

そんな「Übel Blatt(ユーベルブラット)」を完結まで読み終えた感想は、やっぱり

(´-`).。oO( 最後ちょっといそぎすぎだったかなぁ… )

ですかね (^o^;)

明らかに巻いてるというほど急ぎ過ぎでもなくちゃんとストーリーを追いかけてはいたのですが、これまでの「Übel Blatt(ユーベルブラット)」で丁寧に描かれていた頃と比べてしまうと急いでた感がやっぱり拭えません。

回収していない伏線というほどの伏線はなかったような(あったような)気もしますが、伏線とかよりも、もっとストーリーに絡んで活躍してほしかった登場人物がたくさんたくさんいたのにもう見れないのかぁ、もうこれ以上の「Übel Blatt(ユーベルブラット)」は見れないのかぁと思うと、もうちょっと続いてもうちょっと余韻の噛み締められるエンディングまで描いてほしかったかなぁという感想です。

塩野干支郎次先生も「最終回を描きあげた後もまだ実感がありません」と巻末の作者コメントで話しているので、少し物足りなさがあるのかもしれません。

さらに先生はコメントで

何年後か、別の作品を描いている最中にふっと、「ああもうユーベルブラットは終わったんだったな」と感慨がわいてくるのだろうと想像しています

巻末の作者コメントより

と言っているので、実感が湧いたその時にまた描きたいと思って新しいエピソードに取り組んでくれることを期待します^^)b

コメント

  1. 774 より:

    >>明らかに巻いてるというほど急ぎ過ぎでもなくちゃんとストーリーを追いかけてはいた
    すみません、自分は明らかに真逆に感じました。

    この作者は初期の頃は濃密な物語性と怒涛の勢いで血沸き肉踊る展開を描いていました。
    無駄なコマは一切なく、的確に必要な情報を詰め込んでスピーディーに展開していました。
    一時期中断されたのち再開されましたが、展開はのったりのんびりとした冗長な展開。
    無駄で無意味なコマで情景を描いた挙句、シナリオは遅々として進まない。
    最終巻に至っては1冊使っても簡潔な説明で伝わってしまう薄い密度。
    相対的に打ち切りかのような唐突な終わりです。
    作者の情熱がない(苦痛?)のがどことなく漂っていました。
    ある程度のやる気はあるようで描き込み量は多少手抜きになりましたが依然として美麗。
    消化試合といった方がいいでしょうか。

    グレンを一度目に殺したところで完結。もし続けるなら第二部として始めればよかったと思います。
    イクフェスというキャラが出たとたんケインツェルの相対的弱体化して物語の爽快感をかなり邪魔していましたし、
    あれだけ引っ張ってきた復活グレンも変なポーズとったまま攻撃受けてあっさりと退場。
    復活しても中途半端な化け物で数合打ち合って敗北という始末。
    グレンがヴィシュテヒの封印を破ってヴィシュテヒに勝てる!と思いきや破れてしまいヴィシュテヒと人類の全面戦争が起きる、
    というのが定石のところサクッと閉幕させてしまって
    は尻切れトンボでしょう。
    これは本来の構想通りではないように感じます。

    個人的にはエルーニェどうなった?というのと、エト邪魔だったなぁというのと、裏切りの槍のメンバーの槍を全部使って最後の戦いに!みたいな展開を期待してました。

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