宇宙英雄物語 – 伊東岳彦 | 好きなマンガを語るシリーズ その6

マンガ語りシリーズ第6弾『宇宙英雄物語』

書くのがすっかり楽しくなってきた好きなマンガを語るシリーズ。
今回は、伊東岳彦(いとうたけひこ)先生の『宇宙英雄物語(うちゅうえいゆうものがたり THE FUTURE-RETRO HERO STORY)』です。

宇宙英雄物語―ディレクターズカット (1) (ホーム社漫画文庫)宇宙英雄物語―ディレクターズカット (2) (ホーム社漫画文庫)宇宙英雄物語―ディレクターズカット (3) (ホーム社漫画文庫) 宇宙英雄物語―ディレクターズカット (4) (ホーム社漫画文庫) 宇宙英雄物語―ディレクターズカット (5) (ホーム社漫画文庫)

せっかく紹介用に表紙の画像を並べたけれどなんだかあれこれ残念な感じになってしまいました(^^ゞ

まずは、これだと画像がちっちゃくてよくわからないんじゃないかなぁという残念。

続いて、本当は一番最初に買っていて思い入れもあるコンプコミックス版の表紙で紹介したいのですが、そうするとどうしても古本でしか入手できないという残念。アフィリエイトもかました Amazon への画像リンクですが、気持ちとしてできれば古本でなく作家先生にちゃんと収益の行く新本で紹介したいので、ということ。

最後に、「ディレクターズカット版ってなんだ~」という残念。コンプコミックス版は未完のまま終わってしまい、その後集英社ホームコミックス版として全8巻として無事完結されているのに、ディレクターズカット版はなんと全5巻。ディレクターズカット版は読んでないからわかりませんが、いったいぜんたいどれくらいカットされているのやらという残念です。

そりゃあ話のテンポ良くするためにストーリーを切り詰めたりしたほうが面白くなることもあるのでしょうが、せっかく描かれて一度は夜に出された『宇宙英雄物語』の一部を「あえて読めなくする」っていうのはどうなんだろう? 読めないよりは読めたほうがよくない? 読めたほうが読めないよりよくなくなくない? よくない、なくなく、なくなくなくない?

てな感じでまぁ、ちょっと残念な表紙の紹介しかできないのが残念ですみたいことばかり書いているとまるで『宇宙英雄物語』そのものが残念みたいになってしまいそうですが、そんなことはありません!

『宇宙英雄物語』は90年代当時の吉田直樹のマンガライフの中でも間違いなくかなりの上位に入る好きな作品でしたよ^^

『宇宙英雄物語』とは(Wikipedia から引用)

『宇宙英雄物語』(うちゅうえいゆうものがたり、THE FUTURE-RETRO HERO STORY)は、伊東岳彦による日本の漫画作品。伊東の連載デビュー作である。

概要

魔法やエーテルの存在する異世界から来た祖父を持つ主人公が、宇宙船“星詠み(フォーチュナー)号”を受け継ぎ、祖父の故郷“真なる太陽系”に移って悪と戦うファンタジー・スペースオペラで、全編がドタバタコメディで展開される。エドモンド・ハミルトンのSF小説『キャプテン・フューチャー』シリーズへのオマージュ作品であり、往年のスペースオペラ作品のパロディが随所にちりばめられている。
角川書店『月刊コミックコンプ』において、1988年から1992年まで連載されていたが、角川書店の分裂の際に未完結のまま中断。1995年に集英社『ウルトラジャンプ』で再開され、1996年まで連載された。また、伊東岳彦個人の同人誌において番外編が展開されている。

本作の世界観は“Toward Star Worlds”として『星方武侠アウトロースター』や『星方天使エンジェルリンクス』に継承された。東京創元社の『C-LIVE』第四号にBlack Point名義で掲載された「数多の星より大切な…」が本作のパイロット版である。

単行本は角川書店コンプコミックスで5巻まで発売された時点で連載が中断し、予定されていた6巻の発売も中止された。連載中断から3年後(コンプコミックス5巻の発売からは4年後)、集英社ホームコミックスで全8巻が発売され完結、その後2003年~2004年にホーム社漫画文庫でディレクターズカット版と称して全5巻が発売された。

イメージアルバムが1989年と1991年に発売。また、ラジオドラマが1992年から1993年にかけて全26話オンエアされた。CDは全て廃盤となっている。

OVA化されパイロット版も存在していたが、角川書店の分裂に伴う連載中断に伴い本作の放送及び公開は実現しなかった。

ラジオドラマ版は2度目のOVA化企画とのメディアミックスだったため、OVA化予定だった原作中盤のエピソードがカットされていて、OVAを見ることでストーリーが補完出来る予定だった。

宇宙英雄物語 – Wikipedia から引用)


『宇宙英雄物語』のあらすじと好きだったところ

宇宙英雄物語―ディレクターズカット (1) (ホーム社漫画文庫)宇宙英雄物語―ディレクターズカット (2) (ホーム社漫画文庫)宇宙英雄物語―ディレクターズカット (3) (ホーム社漫画文庫) 宇宙英雄物語―ディレクターズカット (4) (ホーム社漫画文庫) 宇宙英雄物語―ディレクターズカット (5) (ホーム社漫画文庫)

正直にいうと『宇宙英雄物語』は今、手元にありません。10何年か前に一度ほとんどのマンガを売ってしまった事情があって実家の本棚にも残っていないと思います。

なので当時の記憶のみで『宇宙英雄物語』を語ります(^^ゞ

『宇宙英雄物語』はコンプコミックス版をおそらく2巻かひょっとしたら3巻あたりまでを古本屋で見つけて買って、その後は新刊を買っていたように記憶しています。なにぶん20年近く前の話なのでうろ覚えですがなんとなく1巻と2巻の2冊をまとめて古本屋で手にしたような気がします。ま、そんなんどっちでもいい話ですけど。

当時『宇宙英雄物語』を読んで「おもしろい、よっしゃ当たりだ!」と好きになったのはストーリーだったと思います。もちろん、それにプラスして伊東岳彦先生のコメディタッチで描かれる世界や登場人物たちもストーリーをとても魅力的なものにしてくれたと思いますが、今思い出してもやっぱりストーリーが一番の理由でした。

『宇宙英雄物語』は護堂十字(ごどうじゅうじ)を主人公としたSF冒険活劇なお話です。

「真なる太陽系」と呼ばれるまさにスペースオペラの世界の英雄だった十字の祖父ロジャーは、敵である「星海王」ブラス・マナフの罠により子々孫々まで受け継がれる呪い(=不幸体質)をかけられたまま宇宙船「星詠み(フォーチュナー)号」ごと異世界(我々のいる世界軸)へと一人飛ばされてしまいます。ロジャーはいつか「真なる太陽系」へと帰還するために「真なる太陽系」の知識や技術を利用し財団を築き上げさらに星詠み(フォーチュナー)号の格納庫として恒星高校を設立しました。

ロジャーは孫である十字に「真なる太陽系」のことを話し、十字もいつか自分も祖父ロジャーのような冒険を夢見るのですが、なにせ「こちらの世界」には精霊もいなければ星詠み(フォーチュナー)号を動かすエネルギーとなる「エーテル」もほとんどありません。

恒星高校の格納庫には目の前に宇宙船があり、異なる宇宙の存在、冒険世界の存在もわかっているのにそこに行くことができない。

十字自身は「いつか絶対に行ってやるぜ!」的な熱血タイプで、「真なる太陽系」に行けないフラストレーションを発散させるかのようにあれこれとドタバタ騒動を巻き起こします。

でも、ロジャーが「こちらの世界」に飛ばされてから何十年もかけて(希薄なだけでちょっとあるという設定なので)少しずつ溜めたエーテルを使っても星詠み(フォーチュナー)号はほんの短時間しか動かすことしかできません。

この辺りの、誰しも空想理想にあこがれつつ現実のはざかいでなんか物足りなさを感じてしまう気持ちと同じというか、もっとシンプルに、ファンタジーな冒険活劇に憧れつつ現実の問題に悩む十字の気持ちに共感できてストーリーにぐっと引き込まれたんですよね。物語にくらべて現実とはなんてつまらないんだろうっていう思春期的な。

とはいえ、そうはいってもそこはそれ『宇宙英雄物語』はマンガのお話です。それもドタバタコメディなお話なものですから、ちっともシリアスなストーリーじゃありません。

十字たちの暮らす「こちらの世界」も実は相当ファンタジーで、ライバルとなる高校教師が実はノーベル賞も受賞したことのある天才科学者(でも変人)で、星詠み(フォーチュナー)号を手に入れるために恒星高校の資金を横領して宇宙船を自作してしまうとか、学校のグラウンドで宇宙船バトルが勃発したりとか、地球ができるよりも太古から宇宙で創業している宇宙レストランが地球に出店してきたり、古代から密かに魔法を継承してきた一族が、十字のことを抹殺しにやってきたりと、普通にめっちゃファンタジーだったんですけどね(^^ゞ

とまぁ、そんなドタバタを繰り返すうちに十字にも徐々に仲間みたいなメンバーが集ってきて、「こちらの世界」でも宿敵ブラス・マナフの影が見え隠れし、そしてい「真なる太陽系」に行く方法が見えてくるんですけど、恒星高校のグラウンドで「真なる太陽系」へ行くための儀式の準備をしているシーンのいよいよ感にはものすごくワクワクしたことを思い出しました。

恒星高校のグラウンドに巨大な魔法陣が描かれるシーンは、はっきりくっきりではないけれど、10何年も目にしていないのにうっすらと浮かんできます。なんだかんだ覚えているものなんですね^^

『宇宙英雄物語』の物語後半について

宇宙英雄物語―ディレクターズカット (1) (ホーム社漫画文庫)宇宙英雄物語―ディレクターズカット (2) (ホーム社漫画文庫)宇宙英雄物語―ディレクターズカット (3) (ホーム社漫画文庫) 宇宙英雄物語―ディレクターズカット (4) (ホーム社漫画文庫) 宇宙英雄物語―ディレクターズカット (5) (ホーム社漫画文庫)

さてさて、というわけで物語の後半(表紙から推測するとディレクターズカット版の3~5巻辺り)は「真なる太陽系」に舞台を移しての冒険譚になるわけなんですが、ぶっちゃけ、吉田直樹は『宇宙英雄物語』の物語の後半があまり好きじゃありません。好きじゃないって書くと、嫌い・つまらない・面白くないみたいな感じになってしまいますがそうではなく、単に前半の方が好きっていうことなんです。

それはなんでかって言うと、物語の後半のストーリーがちょっと型にはまったお約束で進行するからなんです。ま、それも最後まで読めば分かる理由があるから仕方ないんですけどね。

さらにぶっちゃけると、実は十字のキャラクターもそんなめっちゃ好きな方でなかったりします(^^ゞ

十字自身は元の世界にいた時に陸上部で鍛えられていたので体力はある方ですが「ヒーローはこうあるべき」みたいなセリフとともに猪突猛進するタイプだし、戦闘シーンは基本、十字のほとんど唯一の武器である「呪唱銃(スペルガン)」をぶっ放すだけですし、しかもお約束として敵にはあんまり効いてないことのほうが多いです。

あとは、どちらかというとやや卑怯でずる賢い思考の持ち主で(他の人を盾にして自分は逃げようとするとか、ギャグシーンなので笑うところなんですけど)、勢いで行動するけどピンチになることのが多いのに結果としてはコメディ路線というかお約束路線(笑うところなんでしょうけど)でなんとかなっちゃう流れにはあまりシーンに入り込めなかったり十字に感情移入しきれなかったというのが理由です。

トラブルだったりドタバタだったりも、十字が自ら巻き起こすと言うよりはブラス・マナフによる呪い(不幸体質)によって巻き込まれる感じで、要するにあんまりいいところがないんですよね(^^ゞ

むしろ敵役のほうがキャラがたっていて魅力的だったりするんですけど、そういうのもひっくるめて、十字があらかじめ思い描いていたようなかっこいい感じではなくちょっと情けないトホホな冒険にしかならないってところも、SFドタバタ冒険活劇コメディとして本当は楽しむべきところなのかもしれません。

とまあ、ちょっと難癖もつけてしまいましたが、それでもやっぱり『宇宙英雄物語』は当時からとても好きな作品でした。

連載が中断してもう完結しないのかと残念に思いつつ、何年かして(Wikipedia によると3年後)出版社を変えてまた再び続きの連載と単行本が発行されると知った時のよろこびはそりゃあひとしおでした。

今、もう一度読み返したいかっていわれたら、そりゃあできるものなら読み返したいですが、新本で買うかって言われると即購入ではない感じ。

古本で買ってもいいけど(新本にこだわるのはブログでの紹介リンクだけ)、読み返したいで古本買い漁ってるとあれもこれもとなってすぐに場所取るようになっちゃうからちょっと迷います。

でも、こうやって語っているとやっぱり読みたくなるなぁもう一回読みたいなぁ。

宇宙英雄物語―ディレクターズカット (1) (ホーム社漫画文庫)宇宙英雄物語―ディレクターズカット (2) (ホーム社漫画文庫)宇宙英雄物語―ディレクターズカット (3) (ホーム社漫画文庫) 宇宙英雄物語―ディレクターズカット (4) (ホーム社漫画文庫) 宇宙英雄物語―ディレクターズカット (5) (ホーム社漫画文庫)

コメント

  1. […] 伊東岳彦先生の『宇宙英雄物語』 ※書きました! 好きなマンガを語るシリーズ その6 […]