読んでみる 保安官エヴァンスの嘘(1)
【あらすじ・ネタバレ・感想】
少年サンデーのキャンペーンでしょうか、第1巻まるごとお試し無料(18年06月11日時点)としてオススメされていたので、今回、初めて読みました。
ちょっと前に1巻まるごと無料じゃない時に第2話くらいまでの試し読みはして、けっこう面白いなと思ったんですがその時は購入にはなりませんでした(理由はあとで書きます)。
あらすじ
「保安官エヴァンスの嘘」は、タイトルからもろわかりするように、時代設定は西部劇(西部開拓時代)となっています。主人公のエルモア・エヴァンスは作品中で、「全ての犯罪者が最も恐れる」と言われる西部一の凄腕ガンマンです。
見た目もかっこよく銃の腕前もピカイチとなれば、周りの女性がエヴァンスのことをほうっておくはずがないのですが、実はエヴァンスは「恋人いない歴イコール年齢」という人には言えない秘密を抱えています。
エヴァンス自身は女性・恋愛に興味津々で内心ではいつも「モテたい。」と思っています。
作品の冒頭(第1話)では、当時12歳だったエヴァンスは、
(´-`).。oO(モテたい。)
と言っていますが、それから十数年が経ったのに「恋人いない歴イコール年齢」という設定なので、エヴァンスは20代も半ばになって恋愛経験ゼロって計算になりますね。
エヴァンスは有名人なので周囲の女性はエヴァンスに対してキャーキャーいう感じで、実際のところかなりモテるんですが、けっして女性とお付き合いするところにまで至りません。
父親から教わって実践している数々のモテテクニックの中には
「クールに振る舞え」
「でないとがっついてるみたいで、ダサいだろ」
といった教えがあるため、ココぞというチャンスが到来してもあと一歩が踏み込めないからです。
まぁ、モテたいのにモテられないというところが「保安官エヴァンスの嘘」の面白いところなんで、あと一歩が踏み込めて誰かと付き合ってしまったら「保安官エヴァンスの嘘」は最終回になっちゃいますけどね(^o^;)
「保安官エヴァンスの嘘」の第1巻に収録されているエピソードは、
- CHAPTER 1 保安官は振り返らない
- CHAPTER 2 保安官は終わらせない
- CHAPTER 3 賞金稼ぎは期待する
- CHAPTER 4 保安官は譲らない
- CHAPTER 5 保安官は時間がない
- CHAPTER 6 保安官は覚悟ができている
- CHAPTER 7 保安官は見逃せない
- CHAPTER 8 保安官は金に興味がない
- CHAPTER 9 保安官は踊らない
- おまけ
となっています。
テーマの似ているマンガ
「保安官エヴァンスの嘘」と笑いのポイントが似たマンガとしてはずばり「ジェッツCOMICS」の「KAPPEI」がありますね。
「KAPPEI」は、殺人拳を身につけ、どうにも北斗の拳をイメージさせる主人公の KAPPEI がモテたいと思ってあれこれやるんですけど、その服装とか強面の見た目とかもあって、恋愛に興味があると思われず、すれ違ったり迷走するラブコメ作品です。
「保安官エヴァンスの嘘」は週刊少年サンデーで連載されているだけあっていかにも少年マンガっていう感じなので、「KAPPEI」とくらべるとコメディ要素がおとなしいかもしれません。
「保安官エヴァンスの嘘」のおもしろいところ
「保安官エヴァンスの嘘」の笑いのポイントは、
- ナレーション(※ツッコミ)
- 記憶のシーンで伝授されるエヴァンスの父親のモテ・テクニック
- フィービー・オークレイ(※ヒロイン)
でしょうか。
1.ナレーション(※ツッコミ)
エヴァンスが内心「モテたい。」と思っていることを周りの登場人物は誰も知りません。なので、登場人部はエヴァンスの行動を「西部一の凄腕ガンマンであり保安官」の行動と思い込んでしまいます。
エヴァンスの内心「モテたい。」と思っての行動を、
「はっ、そうか!」
と勝手に解釈してしまうのです。
それはつまりどういうことかというと、基本、周りは全員ボケを担当だということになります。
「保安官エヴァンスの嘘」の作中でツッコミや解説を入れているのは、ほとんどがナレーション。そう、ナレーションです。
ナレーションによって「保安官エヴァンスの嘘」のコメディは成立していると言っても過言ではありません。
ほんの一例ですが…
ナレーション『彼にとって妻帯者の浮気ほど鼻につくものはない。』
ナレーション『そう言うエヴァンスは、一度も交際経験がない。』
といった感じです。
2.父親のモテ・テクニック
エヴァンスの記憶の中で披露される、父親のモテ・テクニック(モテ哲学)もまた「保安官エヴァンスの嘘」のネタになっています。いったんいい話っぽく言っておいて、でもやっぱりモテるためっていうネタ。
ほんの一例ですが…
「その女絶対オチるからな。」
みたいな。
「特にそれが女なら…」
「お前に振り向いて欲しいって事だぞ。」
みたいな。
3.フィービー・オークレイ(※ヒロイン)
フィービー・オークレイは、エヴァンスをライバル視している賞金稼ぎです。
10代の頃は各地の大会を総ナメにし、天才射撃少女と評判でしたが、エヴァンスに敗北を味わわされて以来、何かと張り合う間柄になっています。
ナレーション『射撃一筋でまともな恋愛経験はない。そのため…』
ナレーション『恋愛とそうでないことの区別が曖昧である。』
つまりはヒロインです。
フィービーは、第3話『CHAPTER3 賞金稼ぎは期待する』で初登場します。
投稿の出だしで、第2話くらいまでの試し読みはして、けっこう面白いなと思ったんですがその時は購入にはなりませんでした(理由はあとで書きます)、と書いた理由はずばりこのフィービーの登場が第3話以降だからです。
フィービーはエヴァンスに対して
(´-`).。oO( むこうにその気があるなら付き合ってやってもいい )
と思っていますが、なにか行動に移したりはしません。
一方のエヴァンスもフィービーに対して
(´-`).。oO( むこうにその気があるなら付き合ってやってもいい )
と思っています。つまり、
という間柄です。
「保安官エヴァンスの嘘」は勘違いラブコメですが、毎話違う女性が登場して異なるシチュエーションでストーリーが展開するよう流れだと、エヴァンスがまた周りから勘違いされて「モテたい。」本心を言うに言えずに終わるというオチの繰り返し逆にマンネリになりやすかったと思います。
そこへ、フィービーが準レギュラーとして登場して、エヴァンスに負けず劣らず「恋愛感情をこじらせる」ので、笑いのポイントが増えていることと、ストーリーに連続性があってマンガとなっていることで「保安官エヴァンスの嘘」は救われている、んじゃないかなぁ。
フィービーのキャラクターも少年マンガのヒロインにふさわしいほどよい純情さですごい好印象ですしね^^
とにかく爆笑したいならもっと笑えるマンガは他にもいっぱいあるでしょうからそっちを読めばいいと思います。
(´-`).。oO( フィービーといえば、『どいつもこいつも、フィービー・ケイツも』っていうギャグを見た記憶があるけど、あれなんのマンガだっけな)
ちょっとクスリと笑いたい、「モテたい。」っていう思春期のボーイ・ミーツ・ガール(でも勘違い)みたいなシチュエーションが好きな人はぜひ読んでみることをオススメします。
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